憲法記念日に各紙が語る安倍政権の目指す憲法改正への懸念

憲法記念日の5月3日、安倍首相が憲法を改正したいとしていることの問題点が各紙に出ていた。

憲法改正について安倍首相は内容を説明しないが、何をいったい変えようとしており、どこが問題があるのかを各紙からピックアップしてみた。

「緊急事態条項」を憲法に新設するかどうかが焦点だろう。大規模災害やテロ、内乱などの非常時に政府の権限を強めたり、国会議員の任期延長を可能にしたりする規定である。~中略~

改憲草案によると、首相は武力攻撃や内乱など社会秩序の混乱、大規模な自然災害などに際し、緊急事態を宣言できる。宣言されると、内閣は法律と同じ効力の政令を制定できる。国民の生命、財産を守るため、国などの指示に国民は従わなければならない、とある。

 緊急事態とは何かがあいまいなまま、首相と内閣に大きな権限を与えている点に危うさを感じる。さらに国民の権利を制限する規定を、わざわざ憲法に記す必要性があるのか。権力が乱用される懸念が拭えないとの指摘も当然であろう。

災害対策を目的とすることにも違和感がある。迅速な対応を目指すなら、すでに災害対策基本法や災害救助法、大規模地震対策特別措置法に、首相が緊急事態を布告できる規定がある。国会閉会時の内閣の緊急政令制定や首相が地方自治体の長に指示できるなど、すでに法律レベルで「緊急事態条項」は整っているといえる。

中國新聞2016/5/3 08:49社説より

いま地震などに国民の関心が向く中、緊急事態=災害と思わせての、改正論議の実態は首相と内閣に権力を集中させて国民をしばるものではないかということが書かれている。

 

 

時代の要請によって、手直しすることがあってもいい。

 だが憲法には時代を超えて、変えてはならないものがある。

 憲法は国民を縛るものではなく、国や政治家など権力を縛る―という基本原理だ。

 安倍政権と自民党の憲法改定の議論を聞いていると、この原理を顧みない危うさがある。

 自民党の「日本国憲法改正草案」は政治家の擁護義務の前に「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と盛り込んだ。

 まず国民に憲法尊重義務を課すというあべこべの理屈である。

 「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」の尊重には、「公共の福祉」に代えて「公益及び公の秩序」に反しない限りとの制限をかけている。

 首相は「すでに党で改正草案を示している」と胸を張るが、個人より国家に重きを置く中身は、近代立憲主義からの逸脱である。

北海道新聞 5/03 08:50社説より

元来憲法は国民の権利を守るための基盤なのに、安倍首相と自民党は憲法を政治の道具としようとしているのではないかと疑問視している。

 

震災対応を巡っては、気掛かりな動きがあります。安倍政権は今の憲法に「緊急事態条項」を盛り込む必要性を唱えています。国の有事や大規模災害時には、首相に権限を集中させ、より迅速な対応が取れるようにすべきだという一見、分かりやすい主張です。

 しかし、災害対策基本法などには既に緊急条項があり、内閣が法律に代わる政令を制定したり、国民の権利を制限したりすることができる仕組みになっています。

 それを憲法で規定することは屋上屋を架すことであり、「有事対応が主眼ではないか」「震災に名を借りた改憲は危うい」といった疑念の声が上がっています。

 被災地で何が起き、何が必要なのか。状況を詳しく把握できるのは現場の自治体首長らであり、国に全権を委ねるとむしろ混乱につながる、との懸念もあります。

 言うまでもなく憲法は為政者の権限を縛るものです。憲法を見直すべきか否か、見直すとすればどこを改めるか。決定権を握っているのは主権者の国民です。でありながら安倍政権は「解釈改憲」による安全保障法制の転換に走り、国内外に不安を広げています。

 日常社会を覆う「格差」や「貧困」の問題も深刻です。そもそも憲法で保障された諸権利がどれだけ広く享受されているのか。改憲にはやるよりも、暮らしの実相を見据え、憲法の理念を生かしていく道を考える-。この視座こそ見失ってはならない、と考えます。

西日本新聞2016年05月03日 10時34分社説より

※各紙の赤字になっている部分は私が重要と思われる場所を赤くしたものです。また一部抜粋であることをご了承下さい。

今回被災地になっている九州の新聞社でも危惧しているのは、緊急事態が本当に災害であるとするならば、現場のことが一番わかるのは被災地の長であり、自治体である。国に全権を持ってくるというのはかえって混乱を招く恐れもあるということ。実は緊急事態というのは災害とみせかけて有事を主眼としたものではないのか。いま、憲法を改正するより先にやるべきことは、現憲法の理念を体現させる格差社会や貧困の問題への対応ではないのか。

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各紙を読んで思ったのは、勝手に通してしまった安保法と同じく、安倍政権は、目くらまし的に緊急事態が地震などの災害が主のようにみせかけて、実は有事の際に国と内閣に権力を集中させ国民を従わせるのが憲法を改正したい理由なのではないのかということ、安保法を違憲にしないための憲法を作るという本末転倒の目的が見え隠れしていること。

国民の権利を保障する憲法の趣旨とはまるで違う、国民の権利をしばるものになるかもしれない憲法改正は危険この上ないと思う。

 

    
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