なんでも鑑定団で国宝級発見といわれた曜変天目茶碗の顛末

昨年12月20日の『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京)で、「番組始まって以来のお宝を発見」という前ふりと共に、中島誠之助氏の鑑定により、中国の陶器「曜変天目茶碗」の“4点目”が新たに見つかったと放送された。

世界で現存する曜変天目茶碗は3つしかなく、いずれも国宝。つまり国宝級のお宝発見かと大きく報道されたのである。

この「4つ目の曜変天目茶碗」という鑑定に異論を唱える話が記事になっていた。

なんでも鑑定団・国宝級茶碗に陶芸家「どう見てもまがい物」 週刊ポスト2017年2月3日号

Sponsor Link
藤田美術館の曜変天目茶碗

なんでも鑑定団発見、曜変天目茶碗

私も大々的に鑑定団始まって以来の大発見という口上にのせられて番組を見たのだが、国宝になるかもしれない4点目の鑑定価格が2500万円だったことに失望した。

番組の中で最も高額をたたき出した抹茶茶碗は、松江のお殿様で茶人不味公(ふまいこう)として有名な松平 治郷(まつだいら はるさと)由来の茶碗で、確か鑑定価格は6000万円だったと記憶していたから。その時テレビの中の中島誠之助氏が「6000万円なら私が購入してもいい」と言ったのが印象的だった。

だから当然6000万円を超える鑑定価格が出るのではないかと思いきや、2500万だったので、がっかりしたのである。本当に中島氏が「国宝級」と思ったのであろうかと疑っていた。

金額の出し方についても首をかしげていたところにこの話。

骨董品というのは非常にあいまいで、鑑定士がどう見るかで決まるのである。タイムマシンに乗って品物を持ってこない限り、その時代のものかどうかははっきりとしない。

鑑定士は、その時代に流行ったことや、時代を決めるうえでの決まり事を歴史と一緒に勉強してさらに品物をたくさん見ることで、時代を判断する目を養っていく。決め手になるのは目利きする品物の時代考証(その時代の特徴と思われる様式があるかどうか)と品物の来歴(たどって来た道筋みたいなもの)、あとは鑑定士の直感である。

時代様式さえ逸脱していなければ物の真贋はわかりづらいというのは実際のところだと思う。だから見る人によっては本物であり、見る人によっては偽物であると思う。

今回は、誰よりも数を多く曜変天目茶碗を見て、曜変天目茶碗の再現に一生をかけている愛知県瀬戸市陶芸家九代長江惣吉さんがおかしいと言っているのと、様式も下記のように少し違うようなことが書かれていたのでそこが気になる部分である。

鑑定品の裏に記された『供御』という文字について、番組で“将軍が使う陶器に彫る文字”との説明がありましたが、この文字は中国で彫られるもので、日本にある伝世品で『供御』と記されたものを見たことがありません

沖縄県立芸術大学教授の森達也氏談

 

 

やっぱり骨董品って難しいわ。

その後、ハフィントンポストの記事によると、持ち主が一切の調査をやめてくれと言い出したようである。

『曜変天目茶碗』の調査、徳島県が中止 所有者から「外部への資料提供を控える」 2017年01月23日 15時23分 JST

 

    

コメントを残す

お買い得情報




サブコンテンツ

このページの先頭へ